2016年 06月 02日
熊本に行ってきました。<最終日>
最終日は、今回の地震で最も被害の大きかった益城町木山というところにある専寿寺さんの解体をお手伝いさせていただきました。ご覧のとおり、一面に崩れた家々がひしめき、青い空が広く感じられます。初日に訪れたすしざんまいの若い従業員さんの全壊したお宅もこのあたりと伺いました。目を覆いたくなる光景です。この瓦礫の山から、木片、ガラス片、瓦と分別していきます。たいそう立派なお寺さんだったことが伺えます。ご住職は立派な鬼瓦を何とか無傷のものだけでも救い出したいとお考えになり、この日まで解体を渋っておられたそうです。とても良く気持ちが分かります。私は瓦の担当になりました。この日は総勢30人くらいが集まりました。天草や鹿児島からも応援が駆けつけていました。ご住職の人望の厚さが伺えました。しかしこのうず高い瓦礫の山から、瓦だけを取り出していくことなど途方もないことのように感じられ、作業前から絶望的な気持ちでしたが、黙々と、ただひたすらに作業を続けていくうちにだんだん瓦がなくなっていき、ふとある瞬間に、自分が屋根の上で作業していたことに気がつきました。立派な瓦、一つ一つがとても重く、煤けて真っ黒。土のう袋に私だけでも100袋は詰め込んだと思います。日差しは強かったんですが、風があって助かりました。ただ、木片チームのおが屑が目に入って、度々作業を中断しなければなりませんでした。
私はこの日の飛行機で帰らなければならないので、まだ作業を続けていらっしゃる皆さんを尻目に、後ろ髪を引かれる思いでお先に失礼しました。空港までの道すがらも、大変なお宅がたくさんあります。なぜ、どうして、という住人の方々の叫びが聞こえてきそうです。
by elfuelle
| 2016-06-02 23:00
| 今日のねごと