2016年 05月 31日
熊本に行ってきました。<三日目>
小一時間程山の中を散策し、善宗寺さんで朝ごはんをいただいて、出発です。
はじめて「つながり」というNPOに参加させていただきました。彼らは東日本大震災の支援に始まり、ネパール地震、常総市の水害などにも駆けつけて支援を行っているチームです。ここ熊本には既に震災の翌日にやって来て拠点を構えた、と聞きました。さすがに段取りや役割分担が手慣れていました。手慣れているだけに、地域住民の方がいぶかしんだり、手放しに信頼してもらえないなど、ご苦労も抱えていらっしゃいます。色々な噂も飛び交っておりますが、間近で活動をみる限り現場のひとりひとりはずば抜けたチームワークの良さ、礼儀正しさ、仕事の早さ、丁寧さを持っています。ひとつひとつのご依頼を丁寧にこなすことにより、信頼を一段一段築いていらして素晴らしいと感じました。
株式会社フタバさんの大きな倉庫を拠点にしていらっしゃいまして、そこに作業に必要な道具類や食糧などが整頓されて置かれています。そんな中で寝泊まりも洗濯も簡易お風呂!もお食事もなさいます。簡易お風呂やWifi、必要な電源などはフタバさんが用意してくださったと聞きました。震災直後からずっといらっしゃる方や、お仕事の休みを取って一週間という方など、全国各地から様々な方が集まっています。そんな方々のお仲間に加えていただいて、今日はまず御船町の高木小学校近くのお宅に、傾いたブロック塀の撤去作業にお伺いしました。隣のお宅は全壊していました。
午前中いっぱいその作業に集中しました。お昼休憩では、ほとんど空腹感がなかったので軽く済ませた後、30分ほど椅子に座った状態で爆睡してしまいました(笑)。暑さと様々な衝撃で、この食いしん坊の私ですら食欲が沸いてきません。強烈な日射しにも思ったより体力を奪われます。水分はこまめに補給しています。既に午前中の作業だけでTシャツは絞れるほどに汗だくです。
午後はまた別のお宅にお伺いして、ブロック塀撤去作業です。ブロック塀は大抵お庭の周りにあるので、ふと気づくとよくわからない虫に刺されています。中には毛虫やムカデに刺されて数日作業出来なかった方もいらっしゃるとか。暑いけれど万全な長袖対策が必要です。首の回りもタオルを巻いてガード。頭には、砕いた時にブロック塀の破片が飛んで来るのを防ぐため、ヘルメットです。この辺りは昔ながらのお宅が多いので、道はとても車がすれ違い出来ないほどに狭く、お宅はかなり大きいです。つまり、ブロック塀も立派で長いお宅が多いです。炎天下、このブロック塀を解体し撤去するわけです。私たちも大変なんですが、こんなご立派な塀を壊さなければならない住人の皆様の心の痛みはいかばかりかと考えるほどに、胸が痛むとともに、非力な自分を感じます。
何とかこのお宅のブロック塀撤去も終えて次に向かったのは、足のご不自由な70歳近い方のお宅です。ここでは室内の作業。倒れた家具を元に戻し、散乱しているガラス片を掃除します。ようやく動線ができたと、喜んでいただきました。
明日からガソリンが5円値上がりするとの情報をもとに、このあと作業に使う軽トラやワゴン車10台ほどにガソリンを入れて、使った道具を洗って片付け、終礼をしてようやくこの日の作業終了です。終礼のあと、今度は美容師さんのボランティアの方がいらして、「つながり」の方に散髪する、ということでしたが、私はここで失礼しました。前髪だけでも切ってもらえば良かったかな。
帰り道温泉に入り、汗と埃と土でドロドロの身体をきれいにして、いつもミユキタンゴでお世話になっている方のお宅へお見舞いに行きました。足を怪我されたと伺っていたので心配しましたが、お元気そうでひと安心。ご自宅のお風呂が壊れてしまい、ようやく3日前から家でお風呂に入れるようになったと喜んでいらっしゃいました。壊れた家々をたくさん見た影響で身体中に蕁麻疹ができるなど、色々ご苦労があったそうでした。
お寺さんに戻る頃、夕焼けの美しい空が見守ってくれました。長い充実した一日でした。また明日も頑張ろう!